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濃厚な赤身は無骨にして美味!
鹿角 短角牛
厚切りステーキと
煮込み料理が最高!
さらに、短角牛の内臓は
類まれな「幻の美味」
厚切りステーキと
煮込み料理が最高!
さらに、短角牛の内臓は
類まれな
「幻の美味」
十和田湖に程近い、広大な牧場で
自由気ままに育つ短角牛。
草を食み、草原を走り、ストレスも
なく、健康に育つ。
決して口の中でとろけませんが、“牛肉本来の味はこれだ!” そう思わせる力が短角牛にはあります。霜降りにはなりませんが、健康な短角牛の脂も上質です。肉を焼く時に漂う香りは、微かに草のにおいを感じさせますが、それはそれで心地よく、欧米の肉食文化に接した経験のある方であれば、『お〜肉を焼く時のにおいだ!』とわかるはずです。
黒毛和牛礼賛の時代、短角牛は
激減しています
いつの頃からか、日本人は『噛むこと』よりも『とろける』に価値観を置き、メディアも最高の牛肉=黒毛和牛の霜降りというすり込みを消費者にしてきました。その為、草だけで成長し、飼育の手間が掛からない短角牛の市場評価は下がり続け、今では、生産農家は激減しています。
赤ワインに合う、これぞ肉!
塊が美味
確かに薄いステーキ、すき焼き・しゃぶしゃぶには、脂がのった霜降り黒毛和牛は最高かもしれませんが、欧米で食されているような、無骨で噛みしめて美味しい肉は、決して霜降りではありません。
短角牛はミネラル豊富な草を食し、草原を走り回ることで、上質な赤身(筋肉)になるのが特徴です。結果的にうまみ成分が豊富な赤身が口に入ることで、黒毛和牛にはない、濃厚なうまみを感じます。当然、脂肪が少ないので低カロリーです。
ようやく訪れた短角牛の時代
私が産地を訪れた時に、牧場を案内してくださった、秋田県畜産農業協同組合鹿角支所の木村次長はボヤいていました。
『 短角牛の時代が来ると言われて会社に入り、以来、38年間、一度も短角牛が日の目を浴びることはないまま、どんどん、生産が落ちている・・・ 』 『 38年間、だまされて続けてきたけど、ようやく、短角の時代が来るかな? 』
まさに、そのとおりです。輸入配合飼料にほとんど頼らない短角牛は、この世界的な穀物高騰の影響が少ないです。牧草以外には、地元のりんごのジュースの絞りかすや、醤油かすなども餌にしています。また、健康ブームの赤身嗜好も追い風です。
でも、何といっても、ようやく、日本人の牛肉食文化が成熟してきたことが重要です。海外で霜降り以外の美味しい肉を食べた経験を持つ人が増えるにつれ、世間は霜降り!と言っているものの、心の中で、『もう、自分は霜降りはいいや・・・・』と思っている方は実は多いと思います。確かに40歳を超えると、霜降りはちょっとという気持ちもわかります。
ステーキかローストビーフ
が一押し!
短角牛は赤身が美味です。霜降りにはなりませんので、薄く切って焼くと、肉汁が出てしまい、パサパサになって美味しく食べられません。分厚い肉をじっくりと焼いて、切り分けて食べるのが、美味しく堪能する重要なポイントです。もちろん、ローストビーフも美味です。黒毛和牛よりも脂が少ないので、表面を強火で焼き固めて、肉汁を閉じ込め、中までは焼きすぎないのがコツです。
健康な内臓は美味!
年間50頭程度しか流通しない
鹿角短角牛となると幻!
何といっても、内臓肉は非常に美味です。焼いても、煮ても抜群です。もともとの質が良い上に、下処理もよいので、においはほとんどなく、シンプルな味付けで十分です。数ヶ月に1頭入るか否か?そんなレベルのレア感です。正直言いまして、売るのを止めて、自分で食べたくなる逸品です。
日本短角種
日本短角種は、国内の肉専用品種4種(黒毛和種・褐色和種・日本短角種・無角和種)のうちの1種で、昭和32年、南部牛とショートホーン種を掛け合わせて改良された牛です。かつては、塩を運ぶために使われていた牛で、主に北海道と東北地方(秋田・岩手・青森)で盛んに飼育されていました。 飼育の手間が掛からず発育も早く、肉質は、脂肪分が少ない赤身で、低カロリー・鉄分などが豊富です。日本では赤身の評価が低く、生産数とコストのバランスが難点とされています。
鹿角(かづの)牛
秋田県の最北の地である鹿角地方は、十和田・八幡平に代表される自然と温泉が豊かな地域です。 古から鉱山が多く、なかでも尾去沢鉱山は1300年の歴史があると言われています。かつては、三陸沿岸で作られた塩を牛の背中に積んで、鹿角まで運んでいたそうです。現在、生産者の高齢化などの影響もあり、鹿角短角牛の飼養数は減少しており、年間僅か50頭程度しか流通されておりません。大自然の中で放牧された鹿角短角牛の多くは、秋田・鹿角地方で消費され、今や県外不出の牛と言われています。
(株)食文化 代表 萩原章史
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